今回は上腕二頭筋をターゲットとしたダンベル種目「インクラインダンベルカール」の紹介だ。この種目は通常のダンベルカールとは違い、角度が調節可能なベンチ台「インクラインベンチ」を使った上腕二頭筋のトレーニング種目である。「腕の迫力が欲しい！」という方や「腕をシェイプアップして代謝を高めたい！」という方におすすめできる筋トレだ。
それでは実際にこの種目で鍛えた経験のある筆者が執筆していこう！
インクラインダンベルカールで上腕二頭筋のピークをつくる！
(参考画像：減量期の管理人)
●男性の場合、横から見た時や正面から見た時の腕の厚みを強化できる
●女性の場合軽い重量、高回数で腕周りのシェイプアップに繋がる
●アイソレーション種目(単関節運動種目)
●ストレッチ種目(筋肉が伸びた時に1番負荷がかかる種目)
●上腕二頭筋長頭の強化(ピークの強化/サイズの強化)
●上腕二頭筋長頭を鍛える事で肩関節の怪我予防に繋がる
●上腕二頭筋を鍛える事でその他の種目のパフォーマンス向上に繋がる
●筋トレで高重量扱う際の怪我予防に繋がる
インクラインダンベルカールは筆者の中では上腕二頭筋種目の中でも「二頭筋最強種目」に分類される。この種目の強みは「上腕二頭筋をストレッチで効かせる事ができる」ので通常のカール種目では味わえない領域の刺激を得る事ができる。「上腕二頭筋の種目どれか1つを取るならばこれ！」というくらいダンベル武蔵では上腕二頭筋はこの種目を推奨する。
インクラインダンベルカールの効果【画像付き解説】
インクラインダンベルカールの効果部位
●上腕二頭筋長頭
・上腕二頭筋短頭
・上腕筋
・腕橈骨筋
インクラインダンベルカールは上腕二頭筋の長頭に効果が高く、上腕二頭筋の「ピーク作り」に効果的。
インクラインダンベルカールはダンベルを下ろした時に回内動作を加えると上腕二頭筋のストレッチ効果が薄れてしまうので常にダンベルは正面を向いた回外の状態をキープして上腕二頭筋のストレッチ効果を高め、種目本来の特性を活かしていこう。
回外動作が加わると、上腕二頭筋短頭の効果が高くなる。
また、回内動作の要素を強くする程、上腕二頭筋の長頭、上腕筋、腕橈骨筋の効果が高くなるので目的によって変えていこう！
» インクラインハンマーカールの効果的なやり方！効かせ方とコツを解説！
インクラインダンベルカールのベンチ台角度
●ベンチ台角度は45度くらいの目安がおすすめ！
●45度より起こすとストレッチは掛かりにくいが肩関節などに優しい
●45度より起こす場合、しっかり胸を張り肩甲骨を寄せて上腕二頭筋をストレッチしよう
●ベンチ台は45度以上倒すとストレッチがかかりやすくなるが、フォームが崩れやすくなる。
角度調節可能なインクラインベンチ台で角度は45度目安がおすすめ。それ以上倒すと肩関節や上腕二頭筋がストレッチされすぎて怪我の原因になるので角度は倒しすぎない45度がベストだ。
インクラインダンベルカールのやり方【画像解説/GIF付き】
【GIF：インクラインダンベルカールのフォーム】
●コントロールできるウエイトを選ぶ
●インクラインベンチの角度は45度に設定する
●肩関節を痛めている場合は45度より1つ起こす
●頭をベンチにつけず顎を引き視点は天井ではなく正面を見る
●上腕二頭筋のストレッチ効果をあげる為に、肩甲骨を寄せて胸を張る
●収縮をかけた状態から動作スタートすると怪我予防に繋がるので「ダンベルをあげた状態」がスタートポジション
●ダンベル/手は正面を向けたまま動作する
●身体の側面を沿うようにダンベルをゆっくりとおろしていく
●上腕が床と垂直になる位置まで下ろした位置がフィニッシュポジション
●12回前後が限界の重量で実施する
●ストレッチで効かせるので回数が低くてもOK
伸ばして効かせる為スタートポジションは収縮した状態から。また、スタートポジションをダンベルをあげた状態からする事で怪我予防になる。
インクラインダンベルカールはストレッチで効かせるストレッチ種目なので、メニューの組み込み方としてバーベルカールなどのミッドレンジ種目の後に入れるのがベーシックな組み方。
ミッドレンジ種目とは「動作の中盤で負荷が強く掛かる種目」を言う。上腕二頭筋で言えば、ダンベルやバーベルが腰の位置からスタートする種目はミッドレンジ種目、腰より後ろの位置からスタートする種目がストレッチ種目、腰より前の位置からスタートポジションをとる上腕二頭筋種目はコントラクト/収縮種目である。
また、インクラインダンベルカールは重量を扱わなくても上腕二頭筋に強い刺激を与える事ができるので、上腕二頭筋のメイン種目としての立ち位置もおかしくはないし充分成り立つだろう。
フォームに慣れたら実践！
インクラインダンベルカールの基礎メニュー
・限界回数を3SET
・インターバルは1分30秒(1分でもOK)
インクラインダンベルカールの注意点/NG例
●肩をすぼめてしまう事
●反動を使ってあげてしまう事
●動作中お尻が浮いてしまう事
●動作肘背中とシートがはなれてしまう事
インクラインダンベルカールのよくあげられるNG例として「身体を起こしてしまっている事」や「腰を浮かしすぎている事」があげられる。身体を起こす場合、そもそも上腕二頭筋をストレッチで効かせる為にベンチ台の角度設定したのに意味がなくなってしまう。また、腰を浮かしすぎるフォームは腰を痛める原因となってしまうので基本的にはミステイクだ。
では、改めて以下の画像がインクラインダンベルカールの正しいフォームだ！
インクラインダンベルカールの効かせ方・コツを解説！
インクラインダンベルカールはストレッチ種目なのでネガティブ動作に時間をかける追い込み方との相性は抜群に良い。今回の効かせ方・コツではインクラインダンベルカールのネガティブ動作で抑えておくべきポイントと、追い込み方を紹介していく！
コツその1「ネガティブ動作でゆっくり効かせる！」【解説/GIF付き】
【GIF: インクラインダンベルカールネガティブ重視】
インクラインダンベルカールはダンベルを挙げている時の収縮ポイントでは下ろす時のストレッチ効果と比べるとほとんど強い刺激を得られない為、ネガティブ動作時のストレッチに集中力を注ぐと良いだろう。
つまり、このインクラインダンベルカールのネガティブ動作では「時間をかけてゆっくり下す事」でストレッチの刺激がより強くなり、上腕二頭筋を底回数で追い込み切る事ができるのだ。
コツその2「限界時可動域を少しにして更に追い込む！」【解説/GIF付き】
【GIF:限界時に可動域を少しにして更に追い込み】
インクラインダンベルカールの追い込みでめちゃくちゃ効く方法をあげればこの「限界時に可動域を”あげれるところまでの小さな可動域”にして更に追い込む方法」があげられる。ストレッチ種目のインクラインダンベルカールだからこそ、限界時にちまちま可動域を使うだけでも上腕二頭筋がストレッチされて抜群に効くわけだ。効きすぎるので限界時の追い込むレップ数目安は3レップ程が良いだろう。
応用編「鬼のドロップセット！」
応用編では追い込み限界時休憩無しで重量を落としていくドロップセット。ドロップセットを入れるタイミングはセットの最後に行うと良い。言うまでもなくキツいがかなりパンプアップするので超絶おすすめだ！
筆者の場合、上腕二頭筋を追い込む日はこの種目無しには始まらない。現在でも採用し続けている種目である。こうして記事にしていると改めてこの種目は上腕二頭筋強化するうえでは外せない種目だと感じる。”ニクイ種目”である。
